おとなになったたこ焼き

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旅とインドと映像と人類学について

風景は少しずつ変わっても
この街はいつも同じ匂いで僕を迎えてくれる。
久しぶりに訪れたふるさとは相変わらず雑多でゴミゴミしていて
それでいてぱっとしない色でいうと灰色の小さな町。

でも僕は帰ってくると不思議と穏やかな気持ちになれるこの街が好きだ。
それはこの街で生涯を閉じた祖父によるものが大きい。


早いもので祖父が亡くなってもうすぐ丸2年になる。
祖父が亡くなったのはとても寒い日だった。
仕事をしていた僕の携帯に電話が鳴り、祖父が亡くなったと聞かされた。
最も辛い知らせだった。
涙をたくさん流してその場に崩れ落ちたのを覚えている。


祖父はとてもおもしろい人間だった。
よく突拍子もない事をしたり、変わったことを言ったりして周りを驚かせた。
どんなことをしたかというと
猫の頭を掃除機で吸い込んでみようとして見たり、
まだ赤ん坊だった僕の顔を大きな口を開けてかぶろうとしてみたり、
いつも使う歯ブラシは狸の毛でつくったと自慢をするような人だった(真偽は定かではないけど)。
とにかく発想が人と少し違ってかわいく言えばお茶目。


そんな祖父は僕のことをとても可愛がってくれ
僕も祖父の変わったところやどんな人であっても馬鹿にしないところが好きだった。
祖父は昔から病弱だったようだが亡くなる数週間前までは本当に元気だった。
だから容態が急変して亡くなったときは本当にどうしてという気持ちが大きかった。
いたずらっ子みたいな顔で大きな口を開けてガハハと笑う祖父だったが、
亡くなった当初はどこかからふっと出てきて冗談でしたと言うんじゃないかと本気で思っていた。
というか今でもそうやって思うときがある。
祖母も会うたびに同じことを口にする。






実家に足を踏み入れると祖母が出迎えてくれる。
本当に小さくなってしまったけれど顔をくしゃくしゃにして笑う姿は昔と変わらない。
靴を脱いですぐの部屋に仏間があり、祖父の写真が飾られている。
写真はいつも変な事ばかりしていた祖父らしくないどこかきどった顔で収まっている。
線香をあげて手をあわせる。
祖父との数々の思い出が頭のなかを翔る。
神妙な気持ちになるのが普通なのにこの祖父に手をあわせるときはどうしてかそうならない。
なんだかぷっと噴き出してしまう。
後ろから祖父が一生懸命合掌している僕の腋を
こしょばそうとしているんじゃないかと思ったからだ。
写真を見返すとキドッた顔をしているけれどどこかいたずらをした少年のようにも見えた。
そんな難しい顔をせずに楽しく生きんといかんよと言われているようだった。





なんだか祖父がその場にいそうで実家をウロウロしてみた。
ごちゃごちゃと物が溢れ、ところどころは埃をかぶった古めかしい家。
祖父がお化けになって僕を脅かそうとしているようだった。
死後の世界や幽霊などの話を僕は信じた事がない。
なんだか怖いし。





でも祖父に当てはめて考えてみると何だかおかしくておかしくて
不思議と胸の辺りがぽっと温かくなったような気がした。
祖父にまたどこかで会えたらいいなと出来もしないことを考えてみたりする。
次はどんないたずらを祖父は考えているのかな。









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# by shanti-shanti0014 | 2011-12-12 00:49

日々の出会いと発見を写真とともに書き記していこうと思います。


ちょっとエッセイ風に書けたらいいかな?


趣味のインド、映像、写真、旅などをはじめ
九州に住んでいるのでちょっとした地域の話題なんかも
時間のあるときに書き残していこうと思います。


一日一筆を目指して・・・
でもたぶん無理だから一週間に一度くらいのペースでやっていけたら。


おひまな方はお付き合いください
ちなみにこんな顔です




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# by shanti-shanti0014 | 2011-12-10 18:55
大きな男が今にも死にそうなぼくを抱えて走っている。


周りには人だかり。
心配そうにぼくを見つめる奴もいれば興味本位で覗き込んでくる奴もいる。
体は指の先まで固まって動かないのに頭のなかはやけにクリアで運ばれて行く自分の体を冷静に見つめている。


名前は何といっただろうか。
インド系アメリカ人の彼に抱きかかえられたぼくは、
ただただ無力でされるがままになっていた。
今にも壊れそうな車にぼくを放り込むと彼の姿は遠ざかって行った。
なんだ、いっしょに来てくれないのか。


まあいいか。
もう助からないだろう。
助からなくてもいいか。
なんだかんだ楽しかったよ。
いままで。
人生なんてそんなものだよ。


車はでこぼこ道を行き、体が前後左右に激しく揺すぶられる。
窓から見えるのはオレンジ色の街灯。
鈍い光を放ってぼくの頬を照らす。


蛾だろうか。
たくさんの虫が光に引き寄せられている。
気持ち悪いはずなのになんだか見ていてほっとする。
そうだよな。これが普通だ。
みんな求めていることだ。
ぼそっとつぶやいて一人で納得する。


車に揺られながら記憶が遠のいていく。
心がどこかにいきそうになるのを懸命におさえる。
でもそれを阻止することが難しいのは始めから分かっている。
いまここにいる世界はリアルじゃないのだから。


頭のなかではわかっているんだ。
でも戻りたくない。
檻のなかでのみ与えられた自由で安全な世界には。
この夢こそが自分が求めている世界なのだから。



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# by shanti-shanti0014 | 2011-06-21 08:33 | 雑記
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